子育てコラム

子育てに罪悪感なんていらない!

2022年3月28日

親の学校子育てコラム

筆者は、「今よりもっと親子の良い関係が作りたい!」そう願う親御さんに、子どもとのコミュニケーションを具体的に学ぶ場を提供しています。

▶ここでは、頑張っている子育て中のあなたに、今より子どもへの接し方が楽になるヒントをお届けします。
テーマは、子育てと「罪悪感」

 

子育ての邪魔をする罪悪感

 罪悪感とは

罪悪感、それは他人に対して悪いという気持ち。
自分自身を責めたり後悔しているときにおきる感情のこと。

子どもたちは日々、勉強のこと、友達のこと、日常生活の場面で大小さまざまな壁にぶち当たります。
その場でうまく解決できることもあれば、うまく立ち回れずに苦しむことも出てきます。

親は、そんな上手く生きられない子どもをみて

  • 「わたしの子育てが悪かったから」
  • 「私がこの子をこうさせた」
  • 「子どもが可哀そう」

と心を痛め罪悪感にさいなまれます。


ちなみに、動物には罪悪感という内省する感情は認められていません。
罪悪感は、高度な思考を司る人間だけが持つ、自らをかえりみて反省し「自分を変える」ことができる素晴らしい感情の一つなんです。

でも…これから新しく関係を作ろうとする場合、この罪悪感が「関係改善の邪魔」をすることがあるのです。

罪悪感を感じやすい人

罪悪感を感じやすい人というのは、頑張り屋で、嘘がつけない、相手のことを思いやれる人が多いです。

反面、人目を気にする、自信がない、などの特徴もあります。

自分に対する自信のなさが罪悪感を生み、相手を思いやるはずが、相手にどう思われているかを気にすることで罪悪感が増幅されていくのです。

罪悪感を感じなかった頃であれば、親は、子どもの困った行動に対して「怒り」を感じ、「あなたが私を怒らせた!」とばかりに指示命令、叱咤激励で解決に乗り出していたことでしょう。

でも、「わたしが子どもをダメにしているのでは…」と気づき罪悪感を抱えたときから、親にとって子どもは、不憫で「可哀想な子」になっていきます。

「可哀そうな子」に親はどう対応しているか


罪悪感を抱えた親は、この不憫で「可哀想な子」にどう接していいのだろうと戸惑います。

必要以上に気をつかって生活したり、腫れ物にさわるように距離をとります。
一見、相手のことを考えているかに見えますが、心の中は常に追い詰められ不安がいっぱいで、子どものすべての行動が気になってしかたがありません。

そして、子どものすべての行動に対して「きっとこの子は辛いんだわ」などと可哀そうな人のレッテルをはりまくるのです。

時に、「このままこの子が大きくなって自信のない不幸な子になるのでは…」という妄想に耐えきれず、この子のためとばかりに以前のやり方に戻ってしまうこともよくあります。

結果、子どもからのありとあらゆる反発、抵抗を受け、言わなければよかったと後悔し、さらなる罪悪感を抱えることになるのです。

子どもの「今」を見ていこう

 心を病んだ人は他人の中で生きている。

今、目の前にいる人と生きているのではなく、過去に自分を傷つけた人への気持ちで生きている。

これは、社会学者、加藤諦三さんの名言です。

罪悪感を感じる状態というのは、ある意味「心が病んだ状態」といえます。

そう考えると、罪悪感を抱えて子育てするということは…
目の前にいる子どもと生きているのではなく、過去の子どもと生きている…
というところでしょうか。

当たり前ですが、目の前の子どもは「今」を生きています。
子どもにとって、見て欲しいのは今の自分。
聞いて欲しいのは今の気持ちです。

親の罪悪感を少しでも減らして、ぜひとも今の子どもと新しい関係を築いていきたいものです。



罪悪感を感じた時どうするか

 もし、子どもの様子を見て罪悪感を感じたら…

すぐに行動は起こさないほうがいいでしょう。

その場の感情で行動しても、前のやり方に戻ってしまうことがほとんどです。

すぐに行動を起こすのではなく、まずは、この不安を治めることを優先してみてください。

話を聞いてもらう。

話を聞いてくれる人がいれば、不安な気持ちを話してみるのもいいでしょう。

話を聞いてもらうことは、自分の思考が整理され、不安を客観的に眺めることが出来るため、不安を和らげるのに大変効果があります。

●思いつくまま文字に書き出してみる

自分の気持ちを文字化することは、話を聞いてもらうのと同じ効果があります。

●体の緊張をほぐす。

不安な状態というのは、身も心も緊張状態にあります。

心と体は繋がっていますから、ストレッチをしたり暖かいお風呂に入るなど、体の緊張をほぐすことで不安がなくなることも多いです。

そして何より、心の中でこう唱えてみてください。

 子育てに罪悪感なんていらない!

作るのは、これから先の未来なのですから。

  • この記事を書いた人

生駒 章子

親の学校プロジェクトの代表。元ガミガミママで今は親教育の専門家。
自身の原体験から、子育て支援ではなく「親支援」にこだわって活動中。趣味は読書(マンガ)

ファミリーワークス合同会社の代表。
お問合せはこちらから

-子育てコラム