子育てコラム

子供の忘れ物を届ける?届けない?届けなかったわたしが届けることにした理由

2022年3月28日

親の学校子育てコラム

 

あなただったら、子どもの忘れ物を
届ける?届けない?

子どもの忘れ物を「届ける」か「届けない」
これは親にとって賛否両論の永遠のテーマ。

世の中には色々意見があり、無二の一つの正解はありません。
だからこそ、親は忘れ物ひとつで色んなことを考えるし悩みます。

わたしはアメリカの臨床心理学者トマス・ゴードン博士が創始した親子のコミュニケーションプログラム「親業」のインストラクターをしていますが、元々は不機嫌なガミガミママ。

息子が小学2年生の時に「親業」でコミュニケーションの原理原則を学び考え方が大きく変わった一人です。
もちろん、子どもの忘れ物についての考えも変わりました。

▶今回は、昔子どもの忘れ物を届けない!と決めていたわたしが今は届けることにしている理由とは!ということで書いてみました。

一つの参考になれば幸いです。

例え高校生でも、子どもの忘れ物を届ける理由

 上記の通り、我が家の場合子どもの忘れ物は「私が届けられる状況なら届ける」ようにしています。

それは子どものが小学生でも中学生でも、高校生になっても変わりません。

ただ、残念ながら届けられない状況も多いのですが、出来れば届けてあげたいと思っています。

なぜそう思うのか?その理由は単純!

「子どもが困ってる」だろうな~と思うからです。

今ではそう思う私ですが、息子が小学校2年生くらいまでは「届けるか届けないか」で相当悩みました。

・自分が忘れたんだから自分で責任をとらせなくちゃ…。

・親が届けると、子どもから失敗する経験を奪い、子どものためにならないのでは…

・届けると過保護な親だって言われちゃうかな…

などと考え…基本届けない!と決めていました。
でも…子どもが学校に行っている間、忘れた子どもの事が気になって心配してみたり腹立たしく思ったり。

それでも、どうしても学校で必要なものは届けるわけですが、「忘れやがって…」くらいの不機嫌なムードを漂わせて渡すわけです。

そして、帰ってきた息子に

「何やってるの!忘れちゃダメじゃない!」

「ランドセルに入れておきなさい!」

「前の日に準備するって約束したのにやらないから悪いんでしょ!」

「忘れ物しておいてゲームなんてやってんじゃないよ!」

と小言を言ったり、時には無言で不機嫌ムードを撒き散らしたり。
そんな不機嫌なガミガミママが「親業」を知ったことで、あの頃からは考え方が180度変わったわけです。

「分からせなきゃ」から「困っているのは子ども!」

 今思うと、ガミガミママ時代の私の思考には「子どもが困ってる」という考え方はなく、「分からせなきゃ、学ばせなきゃ」という思考で動いていたように思います。

子どもが忘れ物をして、「困っているのは子ども」のはずが…すっかり「親が困っていた」というところでしょうか。

そう!忘れ物をして一番困っているのは子ども自身なんです。

「だからこそ、次は忘れないよう忘れたときの痛みを自分で背負い分からせなければ~それがこの子のため…」

いえいえ!
子どもは、親が分からせなくても、日々学校や友達との失敗からへこんだり学んだりする毎日を送っています。
忘れ物をして困っている子供の傷口に塩を塗らなくても、子どもは十分戦っています。

考えてみて下さい。

もし、これがお友達同士だったら…

例えば、子どもの友達が教科書を忘れたら…

「見せてあげなさい」とお子さんに言いませんか?

「見せないで困らせなさい。次からは持ってくるでしょ」
とは言いませんよね…

子どもにしてみれば、「見せてあげなさい」と言われると、僕が忘れたときはガミガミ言うくせに…言っていることが違う!と感じてしまうかもしれません。

忘れ物を届けることから思いやりを学ぶここともある

 子どもの忘れ物に関して、「分からせなきゃ、学ばせなきゃ」という視点だけではなく。

「困っている子ども」の気持ちに寄り添い、困っているときに思いやりのある言葉をかけられる経験、困ったときに「助けてもらう経験」を積ませてあげてもいいんじゃないかと思います。

もしかしたら、子どもが学校で辛い気持ちでいるとき、届けてくれた親の愛で頑張れるかもしれませんからね。(本当本当!)

もちろん、無理なときにはちゃんと無理な理由を説明して「ごめんね」と伝えてあげることも大切。
これで、子どもを責めずに親にも都合がある事を知らせることが出来ますから^^

ちなみに、我が家の子ども達は小学校高学年ころから忘れ物をすると学校の公衆電話からよく電話をしてきました。

今は高校生になった娘からも、ときおり「ママ持ってきて~」とかかってきます。

私はというと、相変わらず届けられるときは届けるし、届けられないときはごめんねと断ります。

子どもは届けてももらえると分かると大喜び。
学校から帰ると「今日はありがとう」なんてお礼を言ってくれます。

届けてもらえないと分かると「分かった」と元気なく電話をきるのですが、帰ってから「今日は丈夫だった?」と聞くと「何とかした~」と普通に会話をしています。

たかが忘れ物ですが、子どもの色んな顔が見られて結構楽しんでいたりしますよ。

以上が、昔子どもの忘れ物を届けない!と決めていたわたしが今は届けることにしている理由でした。

子どもの忘れ物を「届けるか」「届けないか」というよりも

どんな気持ちで「届けるか」「届けないか」というところでしょうか^^

きっと色んな意見があるはずです。

正解は家庭によって様々。

ぜひ、みなさんが納得したやり方が見つかるといいですね。

としめつつも…自分が忘れ物をして不機嫌に怒られたら…単純に…いやな気持になってやる気なくすと思うんだよね。

  • この記事を書いた人

生駒 章子

親の学校プロジェクトの代表。元ガミガミママで今は親教育の専門家。
自身の原体験から、子育て支援ではなく「親支援」にこだわって活動中。趣味は読書(マンガ)

ファミリーワークス合同会社の代表。
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