親の学校子育てコラム
不機嫌な子育てが子どもに悪影響な理由
前回のコラムでは、「不機嫌な子育て」の特徴的な態度を書きました。
子どもに「いいよ」と許可をだしながらも、表情は明らかに嫌がっていたりと、言葉と態度が相反している。
例えば、顔をしかめたり、眉がつりあがったり、声のトーンが変ったり、特別な態度をとったり、筋肉がこわばったり…意識的にそういう態度を取るときもあれば、無意識にやっていることも多いんです。
子どもはこういう親の「言葉によらないメッセージ」に驚くほど敏感です。
それは赤ちゃんや未就園児など、小さな子どもも同様です。
そんな時子どもはこう思います。
「お母さんがこういう時は本当は私を受け入れていないんだ…」
「お母さんは私を好きじゃないんだ…」
そして、子どもは、理由が分からない不機嫌なお母さんの態度から…
■「いいよ」という「言葉」によるメッセージ(受容)
■不機嫌な態度から「本当はお母さんよく思ってないんだな」という「言葉によらないメッセージ」(非受容)
二つの相反するメッセージを受取ることになります。
いったいどうしたらいいんだろう…頭の中は渦をまきます。
私たち大人も、相手から、是と非の両方のメッセージを伝えられると、どちらの行動を自分は取るべきか分からずに、困って嫌な気持になりますよね。
こうした矛盾するメッセージを受取った子どもは混乱して、身動きがとれなくなってしまいます。
さらに、子どもはお母さんに愛されたい(受容されたい)と思っていますから、お母さんの本当のところが分からないまま、愛されるにはどうしたらいいんだろうとも考えます。
子どもが黙って何も言わないような場合、こんな心の葛藤があるんです。
また、このような身動きの取れない状態に子どもを常におくことは、その心理に深刻な影響をあたえます。
・子どもは、自分は愛されていないと思うようになってしまう
・自分は愛されているかいないかをいつも「試そう」とする
・大きな不安感につきまとわれてしまう
・感情の不安定なこになってしまう
・自尊心の低い子になってしまう
子どもにとって一番やりにくい親になっていませんか
「親業」の創始者 トマス・ゴードンは多くの臨床の経験からこう言っています。
子どもにとって一番やりにくい親とは
やさしい言葉で話し、「自由」にさせ、受容しているかのように行動してあれこれ要求しないくせに、本当は受容していないことをかすかに伝える親である。
その昔、私の子育てはまさに「不機嫌な子育て」子どもにとっては一番やりにくい親でした。
子どもにとってはやりにくく…私自身、そんな自分が好きじゃなかった。
もし、あの頃の不機嫌な自分に語りかけられるとしたら、自分の本当の気持ちを見つめてごらんと言ってあげたい。
・自分の感じてることわかりますか?
・お子さんと本音で会話していますか?
・不機嫌な子育てしてませんか?
<参考書>「親業」トマス・ゴードン著 大和出版