子育てが上手くいかないときに知りたい
脳科学まとめ
赤ちゃんが我が家にやってきて、その可愛さに親としての喜びと責任を感じているのではないでしょうか。
でも、赤ちゃんが0歳児なら親だって0歳親。分からないことだらけです。
母乳は?ミルクは?睡眠は?離乳食は?おもちゃは?遊びは?など育児本を片手に日々奮闘している人も多いはず。
0歳児の発達を知ることで、日々のお世話や赤ちゃんとの遊び方も変わってくるかましれません。
脳科学の視点からみた0歳児の発達
赤ちゃんは、生後5日で母親の声にのみ特別な反応をし、生後2週で母親が話しかけると微笑み返すといわれます。
見たものすべてを吸収し、人の成長の過程で、もっとも変化が激しいのが0歳です。
■生後2ヶ月~3ヶ月頃
母親が話しかけると、喜びながら声を出すようになったり吸啜反射やモロー反応などの原始反射を示すようになる。
★吸啜反射(きゅうてつ)…
赤ちゃんの口元に指などを持っていくとちゅぱちゅぱ吸いつく。
★モロー反射(びくつき)…
音の刺激などに反応して上肢を大きく開きビクッとする。
中脳の神経発達がみられるようになる
■生後3ヶ月~6ヶ月頃
神経発達が中脳に達すると原始反射は少しずつ減少し、4ヶ月近くになると手の把握反射以外は消え、体を傾けたときに真っ直ぐな姿勢に戻ろうとする『立ち直り反射』が生じてくる。
■生後5ヶ月~6ヶ月頃
抱っこすると顔をいじったり髪をひっぱったりする(探索行動)
家族と見慣れない人の区別ができるようになり人見知りが始まる子もでてくる。
大脳の神経発達がみられるようになる
■生後6ヶ月頃
大脳皮質の神経発達が始まると、体のバランスをとって姿勢を保ったり、つかまり立ちや伝い歩き、歩行といった複雑な行動が可能となる。
自我と個性の発達がみられるようになる。
自身の要求に応えてもらえないことや、新たにできるようになったこと(たとえばお座りなど)をさせてもらえないことに対する不満が、『泣く』という形で表現される。
さらに、恐怖心も芽生えるようになる。
たとえば、見知らぬ人に話しかけられ場合や、兄弟が叱られたのを見た場合に泣き出すようになる。
■生後6ヶ月~10ヶ月頃
生後6ヶ月を超えると、乳児は良いものと悪いものの区別が可能になり、悪いものを避けるようになる。
その後、「手伝いをしたおもちゃ①」と「邪魔をしたおもちゃ③」をそれぞれ部屋に入れて乳児に選ばせると、大半の乳児が「手伝いをしたおもちゃ①」を選んだ。
シナプスの密度の最大化
■生後8~9ヶ月頃
大脳にある、視覚情報を処理する視覚野で神経細胞の繋ぎ目であるシナプスの密度が最大となる。
シナプスの数はその後、数年間で60~70%程度にまで減少していく。
■生後9ヶ月頃
母親が玩具を振って楽しそうにしている表情を見ることで、『これは面白そうなものだ』と認識できるようになる。
つかまり立ちができるようになる。
嫉妬の感情をみせるようになる。
母親が注目している物を目で追う『視線追従』や、自分の興味ある物や出来事を指さし、母親の関心をそちらに引き寄せようとする『共同注意』もみられるようになる。
お母さんや友達が他の人や物に注意を向けているのを見て、子どもも同じように、お母さんや友達が見ている人や物に注意を向けること。
コミュニケーションのひとつの形であり、まだ言葉を話せない乳幼児期の子どもにとって言葉を覚える前に身につける大切な力です。
この力を身につけることにより…
・他の人の意図(気持ちや考え方)を理解する
・言葉を話す
という力の獲得へと繋がっていきます。
■生後10ヶ月頃
『対象の永続性』の獲得
乳児の目の前に、注意を引きつける物(対象)を置いてハンカチで隠した場合、ハンカチを取り払ってその対象を取ろうとする。これは、対象が見えなくなっても存在し続けること(対象の永続性)に乳児が気付いたためである。これに対して生後8ヶ月の乳児の場合は、対象がハンカチで覆われた途端に興味を失う。
■生後11ヶ月頃
『箱に物を入れて振る』→『音が出る』などの因果的な事象の連鎖を理解し、記憶することができる。
因果的でない事象に関しては記憶しておくことができない。
■生後12ヶ月頃
言葉を用いて意志や感情の伝達できるようになるため、泣く回数が減少する。一人歩きも可能となる
また、苦痛状態にある他者(大人)を見た場合に悲しい表情をするだけでなくその他者を撫でたり触ったりするような向社会的態度を取りはじめるようになる。
★向社会的態度とは
見返りを期待せずに、人のためになるような行動をしようとする態度のこと。
親指と人差し指を使って小さなものをつまむことができるようになる。