親の学校子育てコラム
ここでは、子どもが嘘をつく理由と子供への対処法のヒントを、元ガミガミママである筆者の我が家の事例を交えながらお伝えしています。
子供の嘘で悩んでいるのはあなただけじゃない!
わたしは元ガミガミママの親業インストラクターとして親子関係改善のお手伝いをしています。
その中でも、5歳ごろ~小学生低学年ごろのお子さんをお持ちの親御さんから「子供の嘘」にまつわる悩みを聞くことも多いです。
出来ないことを「僕も出来る」と友達に言ったり、行っていないのに「僕も行ったよ」などと先生に話す。
小学生では、宿題が出ているのに「宿題はないよ」と言って遊びに行ってしまったり、お友達のものを勝手に持ちかえり「もらった」と言い張る。
また、自分の子供の嘘だけでなく、嘘ばかりつく友達とこのまま遊ばせていいの?
など、子どもの友達の嘘に頭を悩ましている人も少なくありません。
「このまま嘘つきの子になってしまうのでは…」と不安…
ある研究結果によると「典型的な4歳児は2時間に1回嘘をつき、6歳児は嘘をつくことがもっと多い」と言われています。
そんな研究結果があるくらい、子どもの嘘で悩んでいる保護者は多いんです。
でも、安心してください。
この頃のお子さんの嘘は、大人が思っているほど悪質な嘘ではありません。
子供が嘘をつく理由とは
子供がつく、三つの嘘
子どもは2歳半頃から嘘をつくようになるといわれます。
ただし、この頃の子どもの嘘というのは
- ①空想と現実の区別がつかないことでつく嘘。
がほとんどで、嘘をついている意識がない場合が多いそうです。
そして、3歳ごろになると自分の言っていることが現実とは違うことを意識するようになり
- ②相手の興味を引きたいがためにつく嘘
- ③怒られないように自分を守るための嘘
もつくようになっていきます。
6歳が一番噓をつくなと言われる通り、5,6歳あたりは一時期盛んに嘘をつくことがあります。
このような場合、大体は③怒られないように自分の身を守るための嘘が多いようです。
「意識して嘘をつくなんて大変!今すぐ正さなくちゃ!」
と危機感を持つ人もいるでしょうが
小学校低学年ごろまでの嘘というのは、大人が想像するような利己的なずる賢さから発せられる嘘はそう多くありません。
元ガミガミママの我が家の事例①
実は、私も娘が小学校低学年の頃まで子どもの嘘が気になっていました。 <我が家の事例>
今考えると可愛いものなのですが、当時はいっぱいいっぱい考えました。
▶そんな当時小学1年生だった娘の事例をご紹介します。
娘が小学校1年生の時、娘の友達から
「○○ちゃんのお母さん、○○ちゃんが7人家族だって言ってるけど本当?」
と言われたことがあります。
いえいえ、我が家は4人家族…
どうして娘は友達にそんな嘘をついたんだろう…と、当時はかなりへこんだのを覚えています。
へこみながらも、考えてみると…
そういえばこの頃、娘は妹か弟を欲しがっていました。
家に帰って
「お友達から○○ちゃんちは7人家族なの?って聞かれたよー」
と事実だけを娘に話すと。
娘は照れ笑いしながら
「だって、おじいちゃんとおばあちゃんとプ~さんと。ほら、7人家族でしょ!」
と、説明してくれました。
幼い頃の嘘とは、実は、願望(こうだったらいいな~)なのかもしれないと思った出来事でした。
嘘は成長のあかし?
嘘をつくことでしか問題解決を図れない子共達
意識的に嘘がつけるようになってきたということは、 見方を変えると脳が順調に発達してきたということです。
でも、子どもの脳はまだまだ発展途上。
小学校低学年あたりまでは
- 嘘をつくとどんな結果が待っているのか
- 自分がついた嘘が周りにどんな影響を与えるのか
ということまでは大人が思っているようには考えられません。
また、「嘘をつくとどんな結果が待っているのか」「自分がついた嘘が周りにどんな影響を与えるのか」などの論理的な考え方は、大脳の中の前頭前野という部位の発達と関りがあります。
しかし、この前頭前野の機能は10歳以降徐々に発達していくと言われていますから、まだ大人のように考えられない子どもが今の嫌な状況や感情を子どもなりに回避するためには
嘘をつくことでしか問題解決を図れないのです。
気が付かないうちに更なる嘘をつかせていないか!
発展途上の子どもは大人からみると浅はかですぐにばれるような嘘をつきます。
親にとって、我が子が嘘つくと言うのは悲しく腹立たしいものです。
でも、子供の嘘が許せない!嘘だけは許せない!「どうしてそんな嘘をついたの?!」とあまり追い詰めると…
嘘をつくことでしか問題解決を図れない子どもに、自分を守る更なる嘘をつかせる状況にしてしまいます。
小さな頃にこの状況を何度も経験すると、脳の回路では、同じような状況に遭ったときには反射的に嘘をつくことが書き込まれます。
そうなると、論理的な思考が出来る年齢になっても、あまり深く考えず反射的に嘘をついてしまうことも出てきます。
これらの嘘は、学年が上がり脳が発達をし、理論立てて物事を考えたり説明する力、様々な問題解決経験を経ることで減ってくるものです。
子どもが小学生低学年頃までは、嘘かな…と思っても、親の方に「本当かな。怪しいな~まあ、いいけど」くらいに流せる余裕があるといいですね。
ただ気に留めてほしいのが、親は子どもを追い込むつもりはなくても、結果的に子どもを追い込んでしまう対応をとっている場合もあるということ。
実は、このパターンが一番多いと感じています。
まさに昔の私はそうでした。
自分の対応どうだろう…と思う方は、親業の「お決まりの12の型」でチェックしてみて下さいね。
見過ごせない子共の嘘
ここまでは子どもの嘘は気にしなくても大丈夫というお話しでしたが…
小さいからといってそのまま流せない嘘もあります。
それは、親自身や周りの人達が関わってくる事柄。
「まあ、いいけど~」と流してしまうと、結果的に親自身が具体的に困ってしまうような嘘です。
そんな、周りを巻き込む嘘にはしっかりと親の事情、思いを子どもに分かってもらう必要があります。
ただ、「嘘はつかないの!本当のこと言わないなら勝手にしなさい!」と説教をしても、子どもに恐怖心を植え付け、不必要な嘘をつかせることも多いです。
では、子どもの嘘を非難するのではなく親の思いをしっかり伝えるにはどうしたらいいのか!
わたしはアメリカの臨床心理学者トマスゴードン博士が創始したコミュニーションメソッド「親業」のインストラクターをしていますが、その親業でお伝えをしている「わたしメッセージ」が、子どもを非難せず、親の思いを伝えるのにとても有効だと実感しています。
元ガミガミママの我が家の事例②
(わたしメッセージ)
▶今度は、そんな親の気持ちを伝えた我が家の事例をご紹介します。
<我が家の事例>
娘が小学校5年生の時
金銭が絡む問題で娘のお友達のママと会って話すことになりました。
娘から事情を聞くと、大人にとっては飛躍しすぎている内容が多く、どうしても信用出来ず…
わたしメッセージで伝えました。
「本当の事を言ってくれないと、○○ちゃんのお友達のママと今から話す時に、子どもから話を聞いていないって思われるのは嫌なんだよ。ママは自信を持って話し合いに行きたいんだよ!」
このメッセージを聞いてもなお、娘は「嘘じゃない!」というので、娘から聞いた内容をお友達のママに話しました。
結果、娘のお友達のママが子どもに確認すると、事実は娘の話した通りでした。
家に帰って
「ちゃんと話してくれたからお友達のママと話す時も自信を持って話せて助かったよ。」
と、わたしメッセージでお礼を言うと。
「ね!わたしの言うこと合ってたでしょう!」
と誇らしげな娘がいました。
関連
子どもの嘘には立ち止まって考える
子どもの嘘は親にとっては悲しいものです。
成長の過程と分かっていても、やっぱり心配でモヤモヤするんです。
だから、モヤモヤしないで!動揺しないで!とは決していいません。
ただ、 嘘かな~と思った時は、すぐに説教するのではなく、ただ鵜呑みにするのでもなく、ちょっと立ち止まって、嘘をつくことでしか解決出来ない子どもの心を感じられるといいですね。
それに、今嘘をついたからといって、将来嘘つきの子になってしまう…なんてことはありません。
安心して子どもの成長を見守ってあげてください。
また、日ごろから親が子どもに嘘をつかないことも心に留めておきたい大切なところです。。
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